
Funamoto Dental Clinic
主要用途:歯科医院 / 建設地:石川県 / 竣工:2025年
建築設計:2321 建築設計 / アートディレクション:STUDIO ALUC / 建築・インテリアデザイン:STUDIO ALUC / 電気設備設計:桜組 / 機械設備設計:Y.M.O / 照明計画:モデュレックス / サインデザイン:STUDY LLC. / 施工:株式会社表組
階数:地上1階 / 延床面積:約260㎡ / 構造種別:木造軸組工法/ 基礎形式:直接基礎
重なり合う片流れ屋根を、木造架構で計画
三叉路に面する三角形敷地に計画された、木造平屋の歯科医院です。
異なる高さをもつ4つの片流れ屋根のボリュームを、角度を振りながら重ね合わせることで構成されており、敷地形状に応答した配置でありながら、内部空間にも連続性と変化をもたらしています。
計画地は垂直積雪量1mを想定する多雪地域であり、屋根荷重の増大に伴い、梁や垂木断面の増大に加え、耐震要素の確保が求められる条件でした。屋根を支持する垂木にはLVLを採用し、スパンに応じて断面を最適化し、最大約7.6mのスパンには89×387mm材を採用しています。白を基調とした内装において、勾配ごとに異なる方向に架けられたあらわしの垂木が、空間の印象の一端を担っています。
中央の最も高いボリュームでは軒高が約6.5mに達し、平屋でありながら二層分のスケールを持つ空間となっています。そこで、各ボリュームにおいて約3.5mレベルに桁高さを設定し、下がり天井内となる部分に火打材を配置することで、中間レベルでの水平剛性を確保しています。高さの異なる架構を横断的につなぐことで、全体として安定した構造挙動を確保しています。
エントランスのピロティでは、軽快な印象を損なわないよう、直径60.5mmの鋼管柱により軒先を支持しています。これらは水平力を負担しないピン接合として扱い、柱頭・柱脚を直径32mmの丸鋼とすることで、必要な耐力を確保しつつ、剛性を抑えています。エントランス部分は約4mにわたり耐力壁を設けることができないエリアであり、地震時に変形が大きくなることが想定されます。そのためエントランスの屋根では、垂木上に16mm厚の平鋼ブレースを配置し、屋根面での水平剛性を補強することで変形を抑制しています。
敷地条件と地域特性から導かれたボリューム構成は、現地に立つと、周辺環境に違和感無く自然に溶け込む様子が印象的です。動線計画から内装、家具、サイン計画に至るまで、建築設計チームの一貫した思想のもと、患者とスタッフ双方が安心して心地よく過ごせる空間が実現されています。









Photos: 長谷川健太 / Courtesy of 2321 建築設計
