京急電鉄 梅森プラットフォーム第3ユニット

写真:野秋達也

京急電鉄 梅森プラットフォーム第3ユニット

主要用途:工場 / 建設地:東京都 / 竣工:2023年
建築設計:フレームデザイン株式会社 / 設備設計:株式会社建築設備研究所 / 施工:京急建設株式会社
階数:地上1階 / 延床面積:約795㎡

構造種別:鉄骨造ブレース構造 / 基礎形式:杭基礎

鋼製基礎で、既存の高架躯体と共存

京急本線の高架下に計画された、工場が入居する鉄骨造平屋の建物です。東京都内の製造業が多く集まる地域において、ものづくりのまちとしての特徴を活かしながら、高架下空間の有効活用が図られています。

計画地には、高架を支持するRC柱や、その足元に配置された大きな基礎フーチング、地中の基礎梁が連続しています。新設建物は、これらの高架躯体と干渉せず、かつ建物の荷重をできる限り高架基礎へ伝達しないよう計画する必要がありました。

そのため基礎には、一般的なRC造の基礎ではなく、H形鋼による鋼製基礎梁を採用しています。高架基礎を避けた位置に鋼管杭を配置し、基礎梁に杭と柱を直接取り付けることで、コンクリートを使用しない軽量な基礎形式としています。

杭位置は高架の基礎を避けて決定する必要がある一方で、柱位置は室内空間を最大限有効に使えるよう、建物端部に配置しています。柱位置と杭位置の偏心により生じる応力の伝達については、基礎梁で負担しています。

基礎梁が配置できるのは長手方向に限られ、1階床面を構造的な剛床として扱うことができない条件であったため、構造計算においては、杭と上部構造を一体とした解析モデルにより検討を行っています。一般的には杭と建物を分離したモデルにより検討することが多い中で、本計画では、一体モデルにより杭と上部架構が相互に及ぼす力の伝達をより実態に近い形で考慮しています。

1階床は非構造部材としての土間コンクリートですが、高架基礎への重量的な影響を抑えるため、配筋が不要となる繊維補強コンクリートで軽量化を図っています。

上部構造については、設計初期段階でラーメン構造とブレース構造を比較し、鉄骨量や柱サイズの縮小に有利なブレース構造を採用しています。柱は外形150mmのH形鋼とし、短辺方向のブレースは外周部ではなく、高架柱に近い室内側に片ブレースとして配置することで、工場に求められる大きな出入口を確保しながら、室内空間を有効に活用できる架構としています。

写真:野秋達也